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世界地図から陽が昇る

会社員兼料理文献研究家遠藤のブログです。音食紀行(http://onshokukiko.com/wpd1/)を主催。好奇心に基づいて色々書き綴ります。

【レシピ】江戸時代の江戸料理会

音食紀行 レシピ

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少し間が空いてしまいましたが、2週間前の7月2日に開催した江戸時代の江戸料理会のレシピをご連絡いたします。

百味加薬漬け 『四季漬物塩嘉言』
豆腐粥 『豆腐百珍続編』妙品
菜飯 『料理網目調味抄』
たまごふわふわ 『料理物語』
烏賊のカピタン和え 『素人庖丁』
蛸衣がけ 『素人庖丁』
七夕の素麺 『料理物語』
狸汁 『豆腐百珍続編』附録

百味加薬漬け 『四季漬物塩嘉言』

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材料

きゅうり、なす、みょうが、しょうが、青じそ、山椒、赤唐辛子、塩

 

天保7年の『四季漬物塩嘉言』は漬物専門のレシピ集で64種類の漬け方が掲載されています。糠漬けは足りない栄養素を補給する江戸っ子の救世主となりました。

作り方
一 きゅうり、なす、みょうがは縦半分に切って斜め切りにし、しょうがはせん切りにし、青じそは1cm幅に切り、塩でもむ。
二 一に山椒、赤唐辛子を加え、ざっと混ぜ重しを乗せて冷凍保存する。

豆腐粥 『豆腐百珍続編』妙品

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材料

豆腐 小松菜 塩 しょうが

 

この『豆腐百珍続編』などで、豆腐料理が238品も考案されたところを見ても江戸時代の豆腐料理がメインだったことを表しています。賽の目に細かく切った豆腐を粥に見立てた一品です。

作り方
一 豆腐は5㎝角くらいの小さなさいの目に切る。
二 小松菜はみじん切りにしておく。
三 水を鍋に入れ、火にかけ塩を入れる。
四 煮立って来たら、豆腐を入れ、小松菜を散らし、しょうがを落として出す。

菜飯 『料理網目調味抄』

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材料

米 小松菜 塩 大根 かぶの葉

 

その時々に手に入る青菜を刻んで塩でもみ、ご飯に混ぜる菜飯。100万都市の江戸の野菜は不足気味だったといいます。野菜というものは元々野に自生するものだったので、野に生える青い菜を各自が摘んでいたそうです。

作り方
一 小松菜を刻んで、軽く塩をふってしばらくしたらぎゅっと水気を絞る。
二 飯を炊き、刻んだ小松菜をゆがき、ざるに広げて扇ぎ覚まし、しぼってから炊き上がった飯に混ぜ合わせる。*小松菜以外に大根やかぶの葉を用いても良い。

たまごふわふわ 『料理物語』 

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材料

卵 だし汁 塩 しょうゆ こしょう 酒

 

大昔から日本人は卵料理を老若男女誰からも愛されるものとして取り上げられてきました。文化年間に北海道で囚人生活を送ったロシアの海軍将校ゴローウニンは「日本人はタマゴが大好き」と記載したそうです。当時の料理は固く、辛く、冷たかったものが多く、これからの料理の希望としてふわふわという命名がされたそうです。

作り方
一 だし汁をすまし汁程度に味付けする。
二 メレンゲを作るときのようにかきたてる。熱くなったすまし汁に溶き入れていく。
三 こしょうをふって食べる。
*今回、作ったものはふわっとした感が出ず、現代の卵焼き風になってしまったので、また改めて分量等を確認いたします。

烏賊のカピタン和え 『素人庖丁』

蛸衣がけ 『素人庖丁』

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烏賊のカピタン和え 『素人庖丁』
材料 いか 酒 しょうゆ ごま油 ねぎ味噌

蛸衣がけ 『素人庖丁』

材料 たこ 酒 しょうゆ 小麦粉 揚げ油

 

カピタンとはポルトガル語で「船長」のこと。下味をつけてから揚げるという調理法が、当時異国風という意味で「カピタン」と呼ばれました。日本人が食べるイカの量は実に世界全体の消費量の約四分の一を占めるそうです。『料理物語』という江戸時代初期の料理書にはイカの食べ方のバリエーションが数多く書かれています。
たこもまた、日本人は大好きで世界で最もタコを食べる国で全世界の消費量の60%を占め、浮世絵にも登場します。いかに劣らずタコの料理のバリエーションは数多いです。
この2品を一気に作りました。

作り方
一 ゆでだこをぶつ切りにし、いかの足も1本ずつ切り分ける。酒と醤油でサッと煮て汁気を切る。
二 一に小麦粉をまぶして170度の油で揚げる。からりとあがったら、器に乗ってみそを添える。

七夕の素麺 『料理物語』 

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材料

素麺 味噌 ねぎ ごま 山椒 辛子

 

江戸時代、7月7日の七夕に江戸っ子は素麺を食べていました。織姫が機(はた)を織る糸にちなんででした。女性は素麺を食べると機織りや裁縫が上手くなると言われていました。当時の素麺は長いものをぐるぐる巻きにしていたので、男性もそれを食べて、素麺の長さにあやかって長生き祈願をしていたのでした。素麺の食べ方は江戸時代前期にはごま、山椒、辛子などの薬味を入れ、夏の暑気払いの毒消しを行なっていたようです。

作り方
一 数分茹でて、水で洗い人数分取りやすいように分ける。
二 味噌から出るたまりを薄めたつけ汁にねぎ、ごま、さんしょう、辛子などを薬味に入れて食べます。

狸汁 『豆腐百珍続編』附録

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材料

こんにゃく 味噌汁 ごま油 唐辛子 大根 ごぼう

 

古い料理書にも登場していた狸。狸の肉がこんにゃくに化けるようになったのは、江戸後期の頃で精進料理の影響と言われています。こんにゃくを油で揚げるのが肉っぽくみえるからかもしれません。

作り方
一 こんにゃくを一口サイズに切り、油で揚げる。
二 味噌汁を作り、こんにゃく、大根、ごぼうをいれ一煮立ちさせる。吸い口に唐辛子をいれてできあがり。

以上です。江戸時代の料理も数多くあるので、次回はもっとテーマを絞って作ってみようかと思います。

<参考文献>

豆腐百珍続編』:天明3(1783)年大阪で刊行。醒狂道人何必醇著。豆腐料理を100種の料理法を記したもの。素材を豆腐1品に限定している点が特徴。

『料理網目調味抄』:享保15(1730)年刊行。嘯夕軒宗堅著。

『料理物語』:寛永20(1643)年刊行。

『素人庖丁』:享和3(1805)年刊行。浅野高造著。一般の素人が台所で使えるように書かれたもの。

『四季漬物塩嘉言』: 天保7 (1836)年刊行。小田原屋主人著。

『江戸グルメ誕生-時代考証で見る江戸の味』 山田 順子、講談社 (2010)

『江戸おかず 12ヵ月のレシピ』 車浮代、講談社(2014)

江戸料理をつくる』 福田 浩 (著), 小沢 忠恭 、NHK出版 (1991)

webサイト

 「料理昔ばなし ~再現!江戸時代のレシピ~」公式サイト

 http://www.jidaigeki.com/original/201302_ryouri/

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