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世界地図から陽が昇る

会社員兼料理文献研究家遠藤のブログです。音食紀行(http://onshokukiko.com/wpd1/)を主催。好奇心に基づいて色々書き綴ります。

【レシピ】古代ギリシャの宴:料理と音楽 ~ギリシャお魚料理編~:2品目「マグロのステーキ」

続いて2品目はマグロとなります。

マグロのステーキ

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まず塩漬けの若いマグロを用意する。値段は2オボロス。よく水洗いする。次に小さな鍋に調味料をふり入れ、マグロの切り身を並べ、白ワインを注ぎ、油をたらし、ぐつぐつ煮る。中までよく火が通るよう。最後にシルフィウム*をたっぷりきかせる。
 アレクシス(186)、 アテナイオス『食卓の賢人たち』(117d)より 

材料(4名分)

マグロの切り身:4枚 
白ワイン:魚がかぶるくらい
オリーブオイル:大さじ2 
アサフェティダ*液:3滴 
塩、こしょう:適量

 *シルフィウムとアサフェティダ・・・シルフィウムは珍しいスパイスで、当時のギリシャやローマ人の間では料理に使われるだけでなく薬用としての価値も知られていました。古代キレナイカ国(現代のリビア)にだけ植物で、大変高価なためローマの国庫に金銀とともに保管されたほどです。しかし、ローマの博物学プリニウス (24-79) の時代で既にシルフィウムは絶えてしまったようです。絶えてしまった事をこのように述べています。

ここ何年もの間、リビアではシルフィウムは発見されていない。牧場を賃貸する代理人が儲けのために、羊がシルフィウムを食べるにまかせてしまったからだ。我々の記憶ではたった一本見つかった茎は皇帝ネロに送られたという。もし、今羊がシルフィウムの若芽を見つけたら、食べた後すぐ眠ってしまうだろう。もし羊でなく山羊なら、大きなクシャミをするから、それでわかる。しかしもう長年ローマにもたらされるシルフィウムは、イランやアルメニア産のもので、量は十分にあるものの、キレナイカのものと比べると質はずっと劣る。

 プリニウスの時代から代用品としてアサフェティダは用いられてきました。香辛料としてこのアサフェティダは、中近東やインドで現在も栽培されていて、ニンニクやドリアンに似た強烈な臭いを発します。”悪魔の糞”という異名を持っています。

 

作り方

1.鍋にマグロの切り身を入れ、白ワインを魚がかぶるくらいまで入れる。
2.1に塩、こしょう、オリーブオイルを入れる。
3.鍋に火をかけ、20~25分切り身の厚さに応じて焼く
4.伴する前にアサフェティダを煮汁にたらし、少々煮詰める。

このレシピのオリジナル(アテネ喜劇の一部)では、塩漬けのホライオス・マグロを使っています。黒海から地中海へ遊泳するマグロでした。

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